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何度タイムリープしても……初恋の幼馴染は誰かに純潔を奪われる
第21章 スイートルームでの出来事~龍一~
カードキーを握りしめ、心結はホテルの最上階へと向かった。

エレベーターの中で、不安がどんどん大きくなっていく。

ドラマのスタッフが待ってるって言ってたけど……

本当に話だけ……

だよね……?

先ほどの会場で感じた好色な視線や、突然頭に浮かんだ知らない男に襲われた。という記憶が頭の中で交錯する。

それでも、もう後戻りはできないと言い聞かせるしかできなかった。

あのベッドシーンの時に家族の為に我慢しよう。頑張って女優になろう。という覚悟が、台無しになってしまうという気持ちが、心結の体を突き動かしていた。

エレベーターの扉が開き、スイートルームの扉の前に立つと、心結は深く息を吸い込み、カードキーを差し込んだ。

扉を開けると、広い部屋の奥に龍一が立っていた。高級そうなワインを片手に持ち、窓の外の夜景を眺めている。

「来たんだね、心結ちゃん。待ってたよ」

振り返る龍一の顔には、どこか余裕のある笑みが浮かんでいた。

「ドラマのスタッフの方は……?」

恐る恐る尋ねると、龍一は少し肩をすくめながら答える。

「ああ、それなんだけど、みんな急な用事で来れなくなったみたいなんだ。俺も連絡を受けてびっくりしたよ」

「……そう、なんですね……」

心結は納得のいかない気持ちを抱えつつも、それ以上追及することはできなかった。

「まあまあ、せっかく来たんだから、ゆっくりしていけばいいさ。ほら、これ見て。なかなかのご馳走だろ?」

龍一が指差したテーブルには、高級そうな料理がずらりと並んでいる。

「……でも……」

「遠慮しなくていいって。君のために用意したんだからさ」

龍一の言葉に促され、心結は仕方なく広々とした高級そうなソファに座った。

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