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第22章 そして未来へ

あれから10年後の夏。

智樹と心結は25歳になっていた。

芸能界の闇を暴いた後の、記者会見は、今思い返してもクスッと笑えるものだった。

「上納システムはあったのか？なかったのか？どっちなんだ!?」

記者たちの執拗な追及に、隆之社長と涼、それをかばおうとした父親の理事長も、しどろもどろになりながら、「わかりません」と嘘を重ねたことで、さらに追い詰められた。

「いい加減にしろっ!!」

「じゃあ何なら知ってるんだっ!!」

記者達の怒号と共に、ネットは瞬く間に炎上し、次々と新たな被害者の告発が続いた。

最終的に芸能事務所は倒産し、学校も理事長が退任して、再建される運命を辿った。

涼は全てを失い、後ろ盾をなくしたことで転落していったと風の噂程度に聞く。

浮浪者同然の生活を送る彼は、何度も逮捕されるような状況に陥っているらしい。

心結を弄んだ天罰が下って、痛い目に合うのも仕方のない事だろう。

甘やかされた金持ちの失脚は、立ち直るのが本当に難しいものだ。

そして龍一は心結に示談金を渡し、雲隠れするように引退。

その後の消息は不明のままだった。