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第6章 2度目のタイムリープ

[ふらっと#らぶ]の持ち時間30分のライブが終わり、観客たちは一斉に出口に向かって駆け出していった。

智樹もその流れに押され、ふらふらと外に出た。

会場の外は、特典会の参加券を求めるファンでごった返している。

特典会とは、3000円でアイドルとチェキを撮り、1分間だけ会話ができるというものだった。

智樹は列に並んだが、すでにかなり後ろの列だった。

心結のことを思い浮かべ、独り言のように呟く智樹。

「やっぱり……ココは人気あんのかな……？どれだけ並ぶんだ……これって……？」

【ふらっと#らぶ】は5人組のアイドルグループだ。他のメンバーや、他のグループも出演していたし、心結だけが特別に売り切れるなんてことはあるのか？

そんな疑問を抱きながら待っていたその時、スタッフの声が大きく響いた。

「早瀬心結の参加券、売り切れましたーっ!!」

並んで15分ほどで心結の特典券が売り切れたのだ。

周りのファンたちが一気にがっかりした顔で列を離れていく中、智樹も肩を落とした。

心結を守るどころか、彼女に近づくことすら叶わない。

心結の存在はかなり遠くなってしまった。

その時、不意に後ろから優しそうな女の人の声が聞こえてくる。

「君、ライブ中ずっと泣いてたね？どうしたの？」

振り向くと、そこには髪がアニメのキャラクターのように真っ白で、肌も透き通るような白さを持った、20代中盤くらいの女性が立っていた。