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girlslove
第1章 【一目惚れ】
女神かってくらいの満面の笑みを頂き、見事にハートを撃ち抜かれた
所作そのものが美しい
ていうか、不意打ち過ぎる名前呼び!!
1回で名前覚えてくれたんだって喜びと初見のお客様でこの距離感は嬉しい
いや、彼女だから喜びもひとしおなのだ
後から「よく練習生を下の名前で呼ぶからついクセが出ちゃった、ごめんなさい」と言われたがノープロブレム、寧ろ呼んでください
あぁ、彼女が行ってしまう
ご機嫌そうな横顔
お客様としてまた来て頂けるだろうか
リピーター率は結構高い方だけど確信なんて持てない
この人を逃してはいけない、心がそう叫んだ
いつものように声を掛けるだけなのにこんなにドキドキしたのは初めて
「あの、SNS用に写真撮っても良いですか?」
カットやカラーの出来栄えを色々と載せたりしている自分のアカウントがある
本当は施術中から撮りたいと思ったりもしたけど初見だしなかなか言い出せなかった
見惚れてばかりいたのも事実
「全然良いですよ」と二つ返事でOKを貰えた私は、店を出た所で撮らせてもらった
写真も動画も顔は映さずに背後から撮る
お礼を言ったら「碧唯のアカウント教えて」って今度は呼び捨て!!
全然嫌じゃないの、嫌悪感全くナシ
え、なに?この仲良しになった感じの距離感は
「コレが私のです」と教えるとその場でフォローしてくださって「次も指名するね?」って言って貰えた時は涙が出るほど嬉しかった
もしこの日、予約で埋まっていたなら別の美容室に行かれていたかも知れない
私じゃなく、他の誰かが担当していたらこの出逢いもなかったかも知れない
見えなくなるまで見送って店に戻ると彼女の話で持ちきりだった
それぐらいインパクトがあった証拠