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第1章 【一目惚れ】

ヤバいです、めちゃくちゃ美人過ぎてこっちが照れてしまう
今回はインナーカラーをやめて全頭カラーのピンクアッシュにされるそうです
ムラが出ないようにしなければなりません
腕の見せ所です


美容師になって丸5年、念願のスタイリストになれて惜しまず努力し続けてきた
カラーの事なら何でもお任せください
カラー履歴ヤバくても理想のカラーにしてみせます
カットも顔周りはレイヤー入れて可愛く仕上げていくよ


「あぁ、えーっと、ダンサーしてます」


「えっ!?」


思わず声を上げてしまった
でも納得
スタイル良いもん
身長もあるからてっきりモデルだと思い込んでた
コミュニケーションの流れで何気に職業を言ってくださり嬉しかった
施術しながら、鏡越しに目が合ったり、美貌を目にする度に心臓が飛び跳ねる
タブレットもスマホも見ないお客様は初めてだ
凄く視線を感じる


「何系のダンサーさんですか？」


「……色々？MIXだからヒップホップもあるしロックもポッピンも」


「？？？」


「自分たちで作ってるから色々混ざってる感じです、教えたりもするし」


「レッスンとかですか？凄い、先生なんですね」


話す時は真っ直ぐ目を見る人なんだな
施術中だから鏡越しだけど集中しなきゃってこっちが目を逸らしちゃう
隣につくアシスタントも緊張してるのが伝わってくる


ヤバい、我ながら、めちゃくちゃ良い感じに仕上がっていく
4時間半でピンクアッシュの出来上がり
毛先をコテで巻いて動きを出す


「え、凄い、理想通り、これで踊るとかなり目立つね？ありがと、碧唯ちゃん」