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girlslove
第2章 【隠された想い】
本当は全部、演技だった
そうすれば相手も喜んでいたから
可愛くて小悪魔な自分を演じていた
それなりに満たされていたと思う
相手もうまく騙されてくれてたし
でも、今は違うってはっきりとわかる
物足りない……あんなキスだけじゃ
煽ってきたくせに何ひよってんの?
もっと欲しい……
せりさんの、あの溺れるような激しいキスが……
拳で胸を押さえて私を見つめる顔は
また初めて見る表情……
あぁ、わかる……必死に理性と闘ってる顔だ
熱っぽい目でいとも簡単に私を動けなくする
「嫌いにならない…?ごめん、すぐ触りたくなる」
「ならないです……さっきのは突然過ぎて驚いちゃいましたけど、今は私が……物足りないです」
「ねぇ、それわざと言ってる?」
「え…?」
「わざと、煽ってんの?」
「んふふ、はい……そうです」
そっと手が伸びてきて髪を後ろに払い除けた
頬に触れてきた手は親指で唇をなぞられる
今の顔、大好き……野獣に変わる寸前
「怖くなったら何処でも良いから叩いて?」
怖くなんかならないのに……
キッチンで重なる唇
触れたら最後、なんて言葉がしっくりくる
もう止まらない
止まらなくて良いよ
私、せりさんだったら何されても良い
こんな激しいキスしてても、せりさんの優しさが充分伝わってくるから
リップ音が鼓膜にこびりつく
終わらないで欲しい
腰から引き寄せられて、回転して、
持ち上げられてキッチン台に座らされる
目線が同じくらいになり、これもこれで良い
自然と上がってしまう膝を手で押さえてくれて
背中からも支えてくれる
その手がジャケットを脱がしてきた
そして、背中から中に忍び込んでくるの
何も怖くない
私の両手はせりさんの首に回ってる