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バンコクの夜の街で日本人の男であること
第1章 “トゥクトゥク”
勘定のとき、法外な金額を請求され、屈強な黒人に別室に連れて行かれた。
そこで財布の中身を全部ばら撒かれ「クレジットカードは?」と訊かれたが、俺は別室に連れて行かれる寸前にカードを靴下の中に押し込んで、難を逃れた。
そのときは奪われたのは、幸か不幸か300フラン(約7500円)だけだった。
そんな苦い経験がある。
だから俺の教訓として“こうゆうこと”をするときの持ち物は、自分の命以外は“奪われていいもの”だけにしている。
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