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バンコクの夜の街で日本人の男であること
第2章 “パッポン”
俺はまず通りの中央の露店の中を進んだ。
すぐさま俺に向かって声が掛かる。
「ヤスイヨ、シャチョー、ミルダケ、ヤスイヨ!」
つたない日本語だ。
はやり、日本人と分かってしまうのか。
腕も引っ張られる。
「ミテ、ニセモノ! ニセモノ! ヤスイヨ!」
見ると、堂々と腕時計や革製品のコピー商品が棚の上にずらりと並び、売られている。
俺は進むたび彼らを振りきり、無視しなければならなかった。
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