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バンコクの夜の街で日本人の男であること
第2章 “パッポン”
疲れを感じた。
誰も俺を金づるとしか見ていない。
中心の露店を避けるように、通りの脇に逃げた。
怪しげな派手な看板が立ち並ぶ。
俗に“ゴーゴー・バー”と呼ばれる店のものだ。
店の扉は開けっぱなしで、店内からダンスミュージックの爆音が聞こえてくる。
開け放たれたドアから中を覗くと、ほとんど下着ほどの生地を身に付けた若い娘らが、中央の少し高いステージの上で、何本も立ち並ぶ銀色のポールに掴まり、悩ましげな体の動きで踊っているのが見える。
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