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バンコクの夜の街で日本人の男であること
第4章 “ラスボス”
俺は昔、ヨーロッパとアメリカを数ヶ月かけて旅行したと言った。
そのときは、ヒッチハイクも何度もしたし、仲良くなった家族に夕食に招待されたこともあった。
それは人種関係なく、俺が“俺”であったからだ。
しかし、多分、タイでは、俺を見てただで車に乗っけてくれる人、ただで夕飯をごちそうしてくれる人は、いないだろうと思った。
それは俺が俺である前に“日本人の男”だからだ。
そう見られた瞬間に、俺の“個性”はなくなり“金ずる”とみなされる。
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