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バンコクの夜の街で日本人の男であること
第1章 “トゥクトゥク”
舌打ちした。
(ちぇっ、早くも第一関門か……)
俺は躊躇せずに大声で叫んだ。
「ヘイ、ユー!」
運転している男が振り向く。
俺は続けた。
「ロングウェイ! ゲッバック! ゲッバック!」
しかし男は曲がった道の先を指さし
「パッポン! パッポン!」
と大声で叫ぶ。
嘘だ。
俺には自信があった。
妙な自信が。
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