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女性のための犯され短編集
第15章 最終電車で犯される



 ───


「……ハァ……ハァ……ハァ」

「は、はは……やばかったな……!」

 二人が息を整えながら服を着直す。

 彼女は目を閉じたまま、動かない。眠ったふりはまだ続いていた。

「降りようぜ、次の駅で」

「ハァ……ハァ……うん。またね、お姉さん」

 足音が遠ざかり、電車のドアが開く音がした。

 二人が降りたらしい。

 車内に再び静寂が戻る。

「‥‥ぅ‥‥ッ‥、‥‥!」

 ひとりになり、彼女はようやく目を開けた。

 身体が震え、涙が溢れる。スカートは乱れ、下着はずり下げられたまま。太ももに白い液体が流れている。

 頭が真っ白だった。現実が理解できない。終電の車内は再び静まり返り、彼女のすすり泣きだけが小さく響いていた。

 次の駅に着くまでの数分間、何もできず放心状態のままシートに座り、ただ涙を流すだけだった。

 ガタン...ガタン...ガタン...

 キーーー

 電車が停まり、ドアが開く。

 彼女はよろよろと立ち上がり、カバンを握り潰すように持ってホームに降りていた。

 誰もいない駅。吹き抜ける風を冷たく感じるのは、自分の身体が熱で火照っているせいだろうか。

 彼女は膝から崩れ落ち、その場で声を殺して泣いた。








(終)






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