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女性のための犯され短編集
第17章 職場の後輩に犯される

 後輩の部屋はこじんまりとしていて、男の一人暮らしらしい無造作なインテリア。

 合皮のソファに腰を下ろし、ビールの缶を開けると、後輩が隣に座ってくる。

 少し距離が近いなと思ったが、彼女は気にも留めず缶を傾けた。

 部屋を見回すと、棚にレコードが整然と並んでいるのが目に入った。ジャズやロック、意外と渋い趣味だ。

 彼女は驚きを隠せなかった。今まで知らなかった、大人の男の側面がそこにあったからだ。

「へえ、レコードなんて持ってるんだ。意外だね」

 彼女が軽く笑いながら言うと、後輩は恥ずかしそうに頭をかく。

「昔から好きなんですよ。仕事終わりに聴くと落ち着くんで」

「そうなんだ。なんか……大人っぽいね」

 彼女の言葉に、後輩は一瞬目を伏せたが──

 すぐに顔を上げて彼女を見つめた。

「先輩には、そういう俺も見てほしいなって…思うんです」

 その言葉に、彼女は少しだけ戸惑う。

「どういう意味?」

 彼女が尋ねると、後輩はビールをコクんと、口に含む。

 そしてゆっくりと口を開いた。

「先輩、独立するって聞いて…正直、焦ったんです。もう会えなくなるかもしれないって」

「それは……まあ、そうかもしれないけど」

「俺、先輩のことずっと見てました。仕事してる姿とか、笑ってる顔とか。全部」

「……!」

 彼の声は低く、細かく震えている。

 彼女は言葉に詰まり、ビールの缶を握る手に力が入った。後輩がこんな気持ちを抱えているなんて、想像もしていなかったから。

 そして会話が途切れたその瞬間、後輩が彼女に近づいてきた。

 ソファの上で膝をずらし、彼女の肩にそっと手を置く。

「先輩、俺…ずっと好きだったんです」

「……ぇ」

 驚きで言葉を失う彼女を、彼は熱っぽい目で見つめていた。

 冗談かと思った。でも、その瞳に冗談の色はない。

 彼女が何か言う前に、後輩がさらに言葉を重ねた。

「好きなんです。先輩のこと」

 彼の手が彼女の肩から首筋へと滑り、そっと撫でた。

 ゾクリとした感覚が背筋を走り抜ける。彼女は慌てて後ずさろうとしたが、後輩の手が優しく、しかし確実に彼女を押さえていた。


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