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禁断の果実
第9章 映画館
響から告白を受けて次の週の日曜日に私たちは隣街の寂れた映画館に来ていた。
誰かに二人だけでいる所を見られては困ると思い、隣町の映画館まで来たのだ。

ここの映画館は本当に古く寂れていて、観客も殆どいなかった。
来ているのは仕事をサボリ外回りなどしている営業マンやちょっとした酔っ払いだった。

昼間なのに何故かカップルなどもチラホラと見えたのだ。
そのカップルたちも薄暗い映画館の中でお互いの身体を弄り合っているように見えた。

今日、上映している映画は「運命の女」というタイトルの映画だった。
ごくごく平凡な主婦が若い男と情事に及ぶという内容だった。

ストーリーはこんな感じだ。

「コニー・サムナーはニューヨーク郊外で暮らす専業主婦だった。

マンハッタンで会社を経営する夫エドワードと9歳になる息子チャーリーと3人で、平凡だが幸せな生活を送っていた。

ある日、コニーはチャーリーの誕生日プレゼントを買うためマンハッタンへ出掛けた。
通りを歩いていたコニーは、大量の本を抱えた青年と衝突してしまう。

ここからコニーはこの青年と情事に及んでしまうのだった。
だが、やがてこの情事を夫エドワードに知られてしまう…」

私たちはこの映画を映画館の最後部のペアシートで観ていた。
コニーとその青年とが映画館でセックスをしている。

実に官能的でサスペンスな映画だった。
私はこの映画を観ながら身体が疼くのを感じずにはいられなかった。

私たちは他の観客に知られない様に密かに身体を弄り合った。
響が私の手の指に自分の指を絡ませてくる。

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