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禁断の果実
第16章 エピローグ
詩音を抱き上げて「高い、高い」をするのだった。
そして、そのまま抱き上げると車の方に連れて行く。
車の後部座席のチャイルドシートに詩音を座らせる。
私も後部座席へと座る。
エンジンを掛けると車は水族館を目指して走ってゆく。
水族館に着くと詩音は喜び水槽の中で泳いでいる魚やイルカたちを見て回った。
詩音はしきりに「お魚、イルカ、イルカ…」と言っている。
優一郎は詩音を膝に抱っこしながらイルカショーを観ていた。
私はその姿を見ると微笑ましいと感じてしまうのだった。
私は本当に幸せだった。
確かに、響を喪ったことは哀しい事だった。
でも、今は優一郎が一緒にいてくれる。
優一郎には心から感謝している。
水族館を巡っていると愉しい時間はあっという間に過ぎて行った。
私たち3人は夕日を浴びながら水族館の側にある浜辺を歩いていた。
綺麗な夕日見ながらその時、私は誓ったのだ。
響の分まで生きて、詩音と優一郎と幸せになる事を。
私は響の事を一生忘れる事はないだろう。
そして、響は永遠に私の中で生き続けるだろう。
(おわり)