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雨が好き
第34章 待合室

【待合室】
「蒼人さん!」
飛び出そうとする私を、お父さんが引き止めた。
「待ちなさい、みなと・・・。ちゃんと、お話を聞きなさい。」
そう言って受話器を渡してきた。
電話の向こうは、蒼人さんのお仕事場の人。
確か、お名前は・・・、高岡さん。
「はい・・・古谷です」
「あ、高槻の、彼女さん・・・。えっと、みなとさん?」
「はい」
「よかった・・・朝早いから通じないかもと思ったけど・・・」
高岡さんがいうには、昨夜、蒼人さんがお仕事で外を回っている時、
足をすべらせて崖から転落した、ということだった。
「雨風が強かったからね。多分煽られたんだと思う」
ただ、幸いなことに、もう一人泊まっていた職員が、
蒼人さんが戻らないことに気づき、すぐに探しに出てくれたという。
「お陰で崖の下で動けなくなっている高槻を30分ほどで見つけることができた」
明け方には病院に搬送できたし、命には別状はない、と。
ただ・・・、と彼は続けた。
「蒼人さん!」
飛び出そうとする私を、お父さんが引き止めた。
「待ちなさい、みなと・・・。ちゃんと、お話を聞きなさい。」
そう言って受話器を渡してきた。
電話の向こうは、蒼人さんのお仕事場の人。
確か、お名前は・・・、高岡さん。
「はい・・・古谷です」
「あ、高槻の、彼女さん・・・。えっと、みなとさん?」
「はい」
「よかった・・・朝早いから通じないかもと思ったけど・・・」
高岡さんがいうには、昨夜、蒼人さんがお仕事で外を回っている時、
足をすべらせて崖から転落した、ということだった。
「雨風が強かったからね。多分煽られたんだと思う」
ただ、幸いなことに、もう一人泊まっていた職員が、
蒼人さんが戻らないことに気づき、すぐに探しに出てくれたという。
「お陰で崖の下で動けなくなっている高槻を30分ほどで見つけることができた」
明け方には病院に搬送できたし、命には別状はない、と。
ただ・・・、と彼は続けた。

