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雨が好き
第45章 プレゼント
なんだか、それって無責任では?
お父さんはお気楽に言うけれど、
その『一番いい』がわからないから困ってるのに・・・
ちょっとそう思ってしまった。

うーん・・・。
私はまた、雑誌に目を落とす。
本当に、私の『一番いい』で大丈夫・・・なのかな?

また、数分あれこれ悩んで、
ふと、思いついて、聞いてみた。

「お父さんは・・・お母さんにプレゼントしたこと・・・ある?」

「ええっと・・・」
少しだけ、目が泳いで、頬が赤らんだ。

「何を・・・プレゼントしたの?」

なおも尋ねる。
何か、参考になるかもしれないし・・・。

「初めての・・・は・・・
 えっと・・・しおり・・・だったかな?」

「え?なんで?・・・なんでしおり?」

そうだなあ・・・と、
昔のことを思い出しているような、
そんな顔。

ふわっと笑って、目が優しくなった。

「お母さんはさ、本が好きだったから、
 しおりがいいかなと思って・・・。」

そのときのお父さんの顔を見て、
ああ、さっきの私も、きっとこんなんだったのかな、と
なぜだか、そう思えた。
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