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第48章 居場所

【居場所】

「じゃあ、そろそろケーキをあっけまーす！！」
水際さんが冷蔵庫からケーキの箱を取り出す。

じゃじゃーん

現れたケーキに私は目を奪われる。
「か・・・かわいい・・・」

チーズケーキがベースなのだろう。
ホールのケーキ。上面にびっしりと木苺が敷き詰められている。
そして、真っ赤なお花畑のような木苺の上に、チョコレートでできているのかな？
白と茶、二頭の可愛らしい『くまさん』が載っていた。

「へっへーでしょう？これ、めっちゃ探したんだよ？
　・・・蒼人はチーズケーキ好きだよね？」

水際さんがとても得意げだった。

「ハッピーバースデー歌おう！」

パン、パンと水際さんの手拍子に合わせて、私達は歌い出す。
蒼人さんは、気恥ずかしそうな、照れたような、
なんとも言えない表情をしていた。

「はーい！じゃあ、ケーキ入刀だね♪
　みなとちゃん、蒼人といっしょにやる？」
いたずらっぽく笑う水際さん。
冗談だと分かっていても、ドギマギして、顔が赤くなってしまう。