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雨が好き
第54章 ひとりじめ

【ひとりじめ】
蒼人さんのお家に通うこと8日目。
とうとう、来週の月曜日から出勤してもいい、と許可をもらえたと言っていた。
蒼人さんは喜んでいるけど、
私は、やっぱりちょっと残念だった。
お仕事が始まれば、蒼人さんはまた、
雨の日や、
お仕事が早く終わった日の夕方遅くにしか『みなと町』に来てはくれない。
私は、空とにらめっこするか、
早くお仕事が終わるようにと、お祈りして待つことになる。
このお届け物も、もうすぐ終わり。
そう思うと、とても残念な気持ちになる。
蒼人さんのお部屋に入れる、特別なチケットみたいなものだから。
お昼少し前、蒼人さんの住んでいるマンション。
ぴんぽん、といつものように呼び鈴を鳴らす。
はーい、と軽い声がして、がちゃっと扉が開いて、
現れたのは・・・
「水際さん・・・!?」
そこには黒のニットにこれまた色合いの違う黒のデニムの上下を身につけた、いつもながらにおしゃれな水際さんがいた。
蒼人さんのお家に通うこと8日目。
とうとう、来週の月曜日から出勤してもいい、と許可をもらえたと言っていた。
蒼人さんは喜んでいるけど、
私は、やっぱりちょっと残念だった。
お仕事が始まれば、蒼人さんはまた、
雨の日や、
お仕事が早く終わった日の夕方遅くにしか『みなと町』に来てはくれない。
私は、空とにらめっこするか、
早くお仕事が終わるようにと、お祈りして待つことになる。
このお届け物も、もうすぐ終わり。
そう思うと、とても残念な気持ちになる。
蒼人さんのお部屋に入れる、特別なチケットみたいなものだから。
お昼少し前、蒼人さんの住んでいるマンション。
ぴんぽん、といつものように呼び鈴を鳴らす。
はーい、と軽い声がして、がちゃっと扉が開いて、
現れたのは・・・
「水際さん・・・!?」
そこには黒のニットにこれまた色合いの違う黒のデニムの上下を身につけた、いつもながらにおしゃれな水際さんがいた。

