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雨が好き
第54章 ひとりじめ

あ・・・!
一瞬だけ、水際さんの動きが止まり、
瞳が少し、開いた。
ほんの0.2秒のためらい
「みなとちゃん!いらっしゃい!」
でも、すぐに笑顔になり、いつもの調子。
ふっと、水際さんが蒼人さんの方を振り向く。
「ああ・・・今、『みなと町』から宅配を頼んでいるんだ」
蒼人さんが奥から声を掛けてきた。
「えっ・・・ん・・そ、そうなんだ」
もう一度、私の方を向く。
そして、また、蒼人さんの方。
今日は、私の方が判断が早かった。
「あ、これ・・・今日の分です。
蒼人さんに・・・。
お代はもういただいてるので、大丈夫です」
水際さんにバスケットの中のサンドイッチと、水筒に詰めたカフェオレを渡す。
「蒼人さん・・・また、明日!」
少しだけ大きな声で、ご挨拶した。
「あ・・・み・・・」
水際さんが何かを言いかけたけど、
私はペコリと頭を下げて、バイバイ、と扉を閉める。
閉めて、なるべく早く、階段へ。
たん、たん、たん、たん、っと、軽く階段を降りる。
ちょっとだけ、蒼人さんの住んでいるマンションを見上げて、
私は駅に向かった。
一瞬だけ、水際さんの動きが止まり、
瞳が少し、開いた。
ほんの0.2秒のためらい
「みなとちゃん!いらっしゃい!」
でも、すぐに笑顔になり、いつもの調子。
ふっと、水際さんが蒼人さんの方を振り向く。
「ああ・・・今、『みなと町』から宅配を頼んでいるんだ」
蒼人さんが奥から声を掛けてきた。
「えっ・・・ん・・そ、そうなんだ」
もう一度、私の方を向く。
そして、また、蒼人さんの方。
今日は、私の方が判断が早かった。
「あ、これ・・・今日の分です。
蒼人さんに・・・。
お代はもういただいてるので、大丈夫です」
水際さんにバスケットの中のサンドイッチと、水筒に詰めたカフェオレを渡す。
「蒼人さん・・・また、明日!」
少しだけ大きな声で、ご挨拶した。
「あ・・・み・・・」
水際さんが何かを言いかけたけど、
私はペコリと頭を下げて、バイバイ、と扉を閉める。
閉めて、なるべく早く、階段へ。
たん、たん、たん、たん、っと、軽く階段を降りる。
ちょっとだけ、蒼人さんの住んでいるマンションを見上げて、
私は駅に向かった。

