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第59章 おそろい

「うん・・・後ろ向いてみて」
くるりと後ろを向く。
「もう一度、前」
前に向き直る。

蒼人さんが、うんうんと頷いて、ニコニコする。
「すっごい、可愛いです」
か・・・可愛い・・・。

ギシシと身体が固まってしまう。
蒼人さんが別に私の格好をおかしいと思っていないのは分かったけど、分かったのだけど・・・。

お洋服が次々と持ってこられる。
蒼人さんが、いろいろいろいろ店員さんに注文を。
店員さんがそれを聞いていくつもいくつも持ってくる。

次、こっち着て
今度は、これは？
着心地どう？
動きやすい？

お着替えして、カーテンを開けて、
くるり回ってみて、
こっち見て、後ろ姿見せて、
うんうん・・・

いいね
可愛い・・・
似合ってる
ああ、すごくいい

な、なんか、なんかこれって・・・
すごく、恥ずかしいかも・・・。

そんな時間を過ごして、やっと二着まで候補が絞られた。

ひとつは肌にピッタリ密着するタイプの吸湿・吸汗性に優れたトレッキング用のシャツで、色は鮮やかなピンク色。見た目は薄手だけど、保温性もしっかりあるタイプだ。パンツも同じシリーズで合わせている。

もうひとつは朱色のチェック柄、少し厚手の生地で、やっぱり吸湿・吸汗性を歌っている。こちらは少しゆったりした感じだった。パンツもそれに合わせて少し余裕のあるタイプのものを選んでいた。