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雨が好き
第72章 夜語り

「寒くない?お布団、ちゃんとかかってる?」
「へいき」
「狭くてごめんね」
「ううん、これ嬉しいからいいの」
すっと、水際さんが目を閉じる。
このまま寝ちゃうのかな?と思って見ていたら、唇がかすかに動く。
「・・・ね・・・」
何か、聞き取れない言葉
「うん?」
聞き返すと、目を閉じたまま、
「お兄ちゃん・・・よろしくね」
と。
うん・・・と私は言った。
そう、言うのが、多分正しいと思ったから。
なんだか、きっと、いっぱい気持ちがこもっていると思ったから。
こもっているに、違いないと思ったから。
彼女の手が、そっと私の手に触れる。
その手もまた、少し冷たかった。
握り返すと、とん、とおでこを私の胸につけるようにしてきた。
「みなとちゃん・・・大好き・・・」
暗い部屋
おふとんの中で、少しずつあったまっていく水際さんの身体
身体が解けて、心が解けて
「うん・・・」
また、一言。
一言しか、言うことができなかった。
水際さんの呼気が変わり、ささやかな寝息になる。
それを聞いている内に、いつの間にか、私もまた、深い眠りに落ちていった。
「へいき」
「狭くてごめんね」
「ううん、これ嬉しいからいいの」
すっと、水際さんが目を閉じる。
このまま寝ちゃうのかな?と思って見ていたら、唇がかすかに動く。
「・・・ね・・・」
何か、聞き取れない言葉
「うん?」
聞き返すと、目を閉じたまま、
「お兄ちゃん・・・よろしくね」
と。
うん・・・と私は言った。
そう、言うのが、多分正しいと思ったから。
なんだか、きっと、いっぱい気持ちがこもっていると思ったから。
こもっているに、違いないと思ったから。
彼女の手が、そっと私の手に触れる。
その手もまた、少し冷たかった。
握り返すと、とん、とおでこを私の胸につけるようにしてきた。
「みなとちゃん・・・大好き・・・」
暗い部屋
おふとんの中で、少しずつあったまっていく水際さんの身体
身体が解けて、心が解けて
「うん・・・」
また、一言。
一言しか、言うことができなかった。
水際さんの呼気が変わり、ささやかな寝息になる。
それを聞いている内に、いつの間にか、私もまた、深い眠りに落ちていった。

