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雨が好き
第118章 次の約束
「ありがとう・・・みなとさん」

彼は『みなと町』まで送るよ、って言ってくれた。
私だってそうしたかったけど、
それだと、ずっとずっと蒼人さんをお家に帰せなくなってしまう。

だから、ふるふると首を振って
『大丈夫』って・・・嘘をついた。

それから、せめてもと、二人で並んで駅まで行って、
そこで、改めてバイバイをすることにした。

駅の改札前、人通りをちょっとだけ避けて、
もう一度、ぎゅっとしてもらう。

さすがに人目が多いから、
キスは我慢・・・

一度、身体を離して、
別れがたくて、
もう一度・・・今度は私から抱きついてしまって

でも、時間はもう9時を過ぎていて、
早く電車に乗せてあげなきゃいけないって・・・思うのだけど・・・

やっとのことで、体を離す。
絡み合った視線と指先が、ゆっくりと解けて、
彼と私の間が広がっていく。

「バイバイ・・・蒼人さん・・・また」
「うん」
彼が言う。
いつもなら、ここでお背中を向けるところなのに、
ちょっとだけ、立ち止まっていた。

「みなとさん・・・あの・・・」

少しの間
ちょっとだけ、視線をそらして、
また、私の目をまっすぐに見つめて

「僕は、みなとさんと・・・ずっと・・・一緒にいたいです」

そう言われて、胸がトクンとした。
蒼人さんも、私と一緒・・・だったの?

だから・・・

蒼人さんが言いかける。

けれども、言葉はそこで駅の喧騒にまぎれてしまって
この日、二人の想いが確かな『約束』になることは・・・なかった。
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