この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
雨が好き
第113章 帰りの電車
「すごく、おいしいですね」
「はい・・・すごく・・・どうやって作るんだろう・・・」
私が言うと、ふふふっと蒼人さんが笑った。
ちょっと首を傾げると、
「みなとさん・・・『みなと町』のみなとさんの顔になっているなって」
「え・・・そ、そう?」
「うん、そう。一生懸命な、みなとさんの顔です」

自分ではわからないことなので、
なんだかそれはちょっと恥ずかしいような、くすぐったいような感じがした。

たくさんおしゃべりしながら、クレープを食べて、
食べ終わったとき、少しの沈黙の時間ができた。

明るい店内から窓の外を眺める。
そこには、テラスで思い思いに過ごす人たちが見えた。

木造りのテラスを小さな子が走り回っている
ベンチにゆったりと腰を下ろしている老夫婦
犬を連れた上品そうな御婦人
若いカップルだろうか、手を繋いで歩きながら、
ニコニコとなにかを話している。

日差しの柔らかさは、太陽が少しずつ傾いてきていることを私たちに教えてくれる。
それは同時に、時間が・・・帰る時間が近づいていることを意味していた。

「なんか」
「なんだか・・・」

同時に声が出た。
蒼人さんの顔を見る。
蒼人さんも私の顔を見る。

言葉をかわさなかったけれども、
なんと言いたいのか、なんとなく伝わってきてしまっていた。

帰りたく・・・ないな・・・
/533ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ