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雨が好き
第22章 月光
【月光】

寝室に月光が落ちている。
夏の夜空。月光は冴えていて、とても、青かった。

青い光。

ごろりと寝返りを打つ。横になってから、何度目だろうか?
身体が熱いのは、寝苦しい熱帯夜のためだけではない。

私の指が彼の指に絡みつき、
唇が、触れた。

あれが『キス』だったと分かったのは、おかしなことに、家についてからだった。
触れた唇から、身体に熱が送り込まれ、
私の中心で、まだくすぶっていた。

また、寝返りを打つ。
ちょうど、窓の外に浮かんだ月が目に映った。

ああ・・・この月も一緒に見られたらいいのに。
そんなことを思いながら、目を閉じてみる。

なかなか眠れない、と思っていたが、そのあたりで私の意識は途絶えたようだった。
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