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東京帝大生御下宿「西片向陽館」秘話~女中たちの献身ご奉仕
第4章 女中 清(きよ)

 「私も、この趣味は、女性の美しさを崇(あが)めてこそのことだと、はっきりと分かった。清がその気持の変化に気付いてくれたのが嬉しいよ。」

 「それでも、若い女中たちに、最初から酷い縛りは駄目でございますよ。」 清は、微笑みながらではあるが、睨みつける目をしてそう言ってから、安心したように戸田の胸に顔を埋めた。

 戸田は、この夜、はっきりと、<緊縛>というものが単なる自分勝手の性欲の発散ではなく、女性を耽美する精神的な充実を得るものだということを実感して、満足感に浸りながら、清を優しく抱きしめ、心地よい眠りについたのだった。

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