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やっと、逢えた
第2章 待てど暮らせど

『日向 紫』
丁寧で美しい文字で書かれた氏名の上には、
柔らかい平仮名で『ひゅうが ゆかり』と添えられている。
年齢は30歳。
職業は『会社員』とあって、
会社名と住所も書いてある。
ここからも近い。
うちのサロンは、
身元の確かなヒトしか来れない。
個人情報もキッチリ書いてもらう。
本人だけでなく、家族の病歴なんかも。
彼女の住所はここからさほど遠くない。
恐らくマンションの一室。
「白蓮さま、ダメですよ!
家まで押しかけたりしたら、
職権濫用になるし、
ストーカーで警察呼ばれちゃいますよ」と呆れ顔で葵が言う。
「誰の紹介で来たんだ?」
そう。
ここのサロンは紹介者がないと来れない。
看板も出してなければ、
ホームページも料金表もない。
俺が経営者になっていて、
スタッフは葵だけで、
俺が『施術』を特別にすることはあるが、
それは余程の上顧客だけに対してだ。
丁寧で美しい文字で書かれた氏名の上には、
柔らかい平仮名で『ひゅうが ゆかり』と添えられている。
年齢は30歳。
職業は『会社員』とあって、
会社名と住所も書いてある。
ここからも近い。
うちのサロンは、
身元の確かなヒトしか来れない。
個人情報もキッチリ書いてもらう。
本人だけでなく、家族の病歴なんかも。
彼女の住所はここからさほど遠くない。
恐らくマンションの一室。
「白蓮さま、ダメですよ!
家まで押しかけたりしたら、
職権濫用になるし、
ストーカーで警察呼ばれちゃいますよ」と呆れ顔で葵が言う。
「誰の紹介で来たんだ?」
そう。
ここのサロンは紹介者がないと来れない。
看板も出してなければ、
ホームページも料金表もない。
俺が経営者になっていて、
スタッフは葵だけで、
俺が『施術』を特別にすることはあるが、
それは余程の上顧客だけに対してだ。

