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やっと、逢えた
第3章 せめて、声だけでも
「手に触れても良いですか?」

彼女の口調は真面目で、
まるで医者が脈を取るような言い方だったので、
俺は反射的に頷いていた。


そっと小さな手を俺の手に重ねると、
また瞳を閉じて瞑想するような感じになる。


俺は無意識に手の向きを変えて、
指を絡めるように彼女て手繋ぎしていた。

いや、彼女がそうしていたのかもしれないけど、
本当に自然で、
いつ、そうなったのかも気付かないほどだった。


暫くすると不思議なことに、
手から手へ、
何かが吸い取られていくような感覚がする。


彼女のひんやりした手が少しずつ熱を帯びていく。

俺の手の熱が伝わっていくせいかもしれない。



こんな感覚は初めてだ。
なんなんだ?

これが、運命のヒトだからなのかは、
初めてのことで判らない。



「ごめんなさい。
これ以上は無理みたい…」と彼女が小さい声で呟く。

彼女を見ると、
顔面蒼白で、瞳には涙が浮かんでいる。



「えっ?」と思った瞬間、
彼女は崩れ落ちるように身体を二つに折るように沈んでいった。

俺は慌てて支えたけど、
彼女の意識はない。

反射的に首に触れて脈動を確かめると、
物凄くゆっくりで、しかも弱々しくて、
ひとまずソファに横たわらせてみた。


手首でも脈を取ってみたけど、
同じ状況で、
俺は茫然としてしまった。
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