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やっと、逢えた
第4章 触れるだけで

ソファに戻って彼女の前に座る。
「紅茶、冷めちゃいましたね?
お湯を沸かして少し差しましょうか?」と言う彼女に、
「いや。
大丈夫。
少し話を続けたい」と言うと、
彼女が生真面目な学生のように両手を膝の上に重ねるように置いて、
姿勢を正して俺を見つめた。
「簡易的な検査だと、
不足、あるいは過剰な数値を見つけて、
そこから臓器に何か問題はないかとか、
単純なことしか判らない。
でも…。
君の持っている能力は、
そういうものでは測れないと思う」
彼女はそっと頷きながら言った。
「そもそも、私にそういう能力があるという前提なんですね?
先生、そんなこと、
信じてくださるんですか?」と真剣な眼差しで言う。
「信じるよ。
俺も…。
少し違いはあるけど、
変わった能力があるから」
彼女は少し驚いた顔をする。
「でも、その力についてずっと研究してるけど、
はっきりとしたことはまだ判らないし、
ましてや、君の能力の根本的な源やどういう原理なのかを調べるにはとても時間がかかると思うし、
その力を君はどうしたいのかとかも、もう少し知りたいと思う」
俺はなんとか、
俺自身が普通じゃないことを彼女に言うことに成功した。
「本当に私、相手から痛みや苦痛を取り除けてるのか、
時々判らなくなることもあります。
思い込みとか、一種のヒステリー状態で、
単に気絶してるんじゃないかって。
でも、その力が本当のことなら、
誰かの役に立ってるなら、
すごく幸せなことだって思います。
さっきも言ったように、家族も居ないし、
触れてたら気絶して、具合悪くなるようでは、
誰かと家族になれることもないから、
誰かの役に立って、そのまま死んじゃっても良いかなって思うことすらあるんです」
淡々と少し微笑みながらそんなことを口にする彼女を観て、
俺のことも話さなければという気持ちになっていった。
「紅茶、冷めちゃいましたね?
お湯を沸かして少し差しましょうか?」と言う彼女に、
「いや。
大丈夫。
少し話を続けたい」と言うと、
彼女が生真面目な学生のように両手を膝の上に重ねるように置いて、
姿勢を正して俺を見つめた。
「簡易的な検査だと、
不足、あるいは過剰な数値を見つけて、
そこから臓器に何か問題はないかとか、
単純なことしか判らない。
でも…。
君の持っている能力は、
そういうものでは測れないと思う」
彼女はそっと頷きながら言った。
「そもそも、私にそういう能力があるという前提なんですね?
先生、そんなこと、
信じてくださるんですか?」と真剣な眼差しで言う。
「信じるよ。
俺も…。
少し違いはあるけど、
変わった能力があるから」
彼女は少し驚いた顔をする。
「でも、その力についてずっと研究してるけど、
はっきりとしたことはまだ判らないし、
ましてや、君の能力の根本的な源やどういう原理なのかを調べるにはとても時間がかかると思うし、
その力を君はどうしたいのかとかも、もう少し知りたいと思う」
俺はなんとか、
俺自身が普通じゃないことを彼女に言うことに成功した。
「本当に私、相手から痛みや苦痛を取り除けてるのか、
時々判らなくなることもあります。
思い込みとか、一種のヒステリー状態で、
単に気絶してるんじゃないかって。
でも、その力が本当のことなら、
誰かの役に立ってるなら、
すごく幸せなことだって思います。
さっきも言ったように、家族も居ないし、
触れてたら気絶して、具合悪くなるようでは、
誰かと家族になれることもないから、
誰かの役に立って、そのまま死んじゃっても良いかなって思うことすらあるんです」
淡々と少し微笑みながらそんなことを口にする彼女を観て、
俺のことも話さなければという気持ちになっていった。

