この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
やっと、逢えた
第1章 ある雨の日
「それで?」


いつもの簡素な夕食が終わり、
食後の『ブラッドジュース』が入った小さなショットグラスを優雅に手にすると、
お館様が訊いてきた。


「えっ?
何がでしょうか?」
と俺はとぼけた顔で答える。


「まあ、いい。
そのうち、連れて来るように」と言うと、
グイッと飲み干してグラスを置いて席を立つ。


今日の処は追求は免れた。
というより、俺にも情報はない。


そう思いながら、俺も飲み干す。


O型。
若い。
というより幼い少女の新鮮な血液。
何の病気もなく、
勿論、飲酒や喫煙の習慣もない。
両親や家族も同じく、そういう家庭らしく、
非常に美味しいのだろうけど、
そこには何か決定的なモノが欠けているように感じる。

それ故、飲み干しても尚、
渇きを感じるのはいつものことだった。


親父は、お館様はそんな渇きを感じないのだろうか?
それとも、もう慣れてしまったのだろうか?

母さんを亡くして、かなりの年月が経ってしまった。

葵でもそれは埋められなかったと以前呟いていたことがあった。

というより、なんで葵だったのかも、
俺は聴いていないが。


無意識に握り締めていたグラスをそっとテーブルに置いて、
俺も立ち上がって自室に戻った。
/55ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ