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第21章 妄想の乙女〜人狼ゲーム再び

「ん、あ、これはすまない」

　琴葉が不思議そうに首を傾げていた。麗奈の思い出を頭から追いやる。

「ゲームを開始する前に質問はあるかね」
「……いえ」

　首を振ると胸が揺れる。どうもやりにくい。どしても視線が胸に行ってしまう。

「どんな命令なのか聞かないのか？」
「始まればわかりますから」

　従順な態度の琴葉に、反抗的だった麗奈を思い浮かべ、比べる。

　さてと。

「ではゲームを始めよう。下着を脱ぎなさい」
「……はい？」

　一瞬、キョトンとしてから、処女の大学生は、その小さな顔が真っ赤になった。

「服は脱がなくてよい。ワンピースは着たままで、下着だけを脱ぎなさい」

　命令を下し、下着は何色だろうか、きっと白だ。麗奈の下着はライトパープルだったなどと不埒な回想に浸る。

「あの……」

　赤く染めた顔を伏せた娘がつぶやく。

「ノーか？　拒否しても構わないよ。拒否したらゲームは終わり……」
「そうじゃないんです」
「ん？」

　口ごもり、もじもじしていた処女が、意を決したように顔を上げた。そして……。

「着けていないんです」

　蚊の鳴くような声で言う。

　……着けていない？

　意味がわからず、

「着けていないとは、どういうことだ」

　聞き返したら、ますます小さな声で、

「あの、下着をつけていないんです」

　驚愕の告白をした。