この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
愛欲ハーレム・妄想の処女〜琴葉【官能作家・霧山純生の情事】
第35章 エピローグ~愛があるなら
人馬宮紫月の顛末を妻のしのぶに話したところ、
「やっぱりね」
したり顔で、うんうんとうなずいた。
「その鷹月さんが怒ったのもわかるわ」
「ああ、すべて僕が悪い」
「あなたはいつも考えすぎるのよ。直感で行動したことなんてないでしょう」
「そうだね。確かにそうだ」
「自分の気持ちに素直になるのも、時は必要だと思う」
おっしゃるとおり。
ぐうの音も出ない。
自宅で過ごす、一か月ぶりの夫婦の団欒だ。とっておきのワインを傾けながら、ゆったりした時を愉しむ。
「わたしが言ったとおりになったわね」
「なにがだい」
「かわいい琴葉ちゃんよ。あなたの三人めの恋人」
「うむ」
「わたしもいるのを忘れないで。霧山先生」
フフッと微笑んだ。
「もちろんさ。きみは僕の女だ」
真顔になったしのぶは、いつものように、身体に悪いから薬は使うなと繰り返し、薬なんぞ使わないからと私も繰り返した。
「ねえ。今夜……どう?」
空になったワイングラスをそっとテーブルに置き、妻がささやいた。
「抱いて。いっぱい愛してね。百パーセントの愛で、わたしを愛して」
「ああ……おまえは私の……」
愛しい女だから。
今のこの時を。
たとえ今だけでも。
そこに愛があるなら。
「やっぱりね」
したり顔で、うんうんとうなずいた。
「その鷹月さんが怒ったのもわかるわ」
「ああ、すべて僕が悪い」
「あなたはいつも考えすぎるのよ。直感で行動したことなんてないでしょう」
「そうだね。確かにそうだ」
「自分の気持ちに素直になるのも、時は必要だと思う」
おっしゃるとおり。
ぐうの音も出ない。
自宅で過ごす、一か月ぶりの夫婦の団欒だ。とっておきのワインを傾けながら、ゆったりした時を愉しむ。
「わたしが言ったとおりになったわね」
「なにがだい」
「かわいい琴葉ちゃんよ。あなたの三人めの恋人」
「うむ」
「わたしもいるのを忘れないで。霧山先生」
フフッと微笑んだ。
「もちろんさ。きみは僕の女だ」
真顔になったしのぶは、いつものように、身体に悪いから薬は使うなと繰り返し、薬なんぞ使わないからと私も繰り返した。
「ねえ。今夜……どう?」
空になったワイングラスをそっとテーブルに置き、妻がささやいた。
「抱いて。いっぱい愛してね。百パーセントの愛で、わたしを愛して」
「ああ……おまえは私の……」
愛しい女だから。
今のこの時を。
たとえ今だけでも。
そこに愛があるなら。