この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
奴隷館 Crime d’amour〜Mの肖像
第6章 Mの目覚め〜香緒里
暗闇から一人の男が現れた。ステージの端の階段から、彼女が立ち尽くすステージに登る。背の高い男だ。女性にしては高身長の彼女が、十センチのハイヒールを履いていても見上げるほどだ。真っ白なシャツに黒いズボン、ボタンを外した胸元から細いチェーンの銀色のペンダントが覗いている。引き締まった体つき、撫で付けたオールバックの黒髪に黒縁のメガネ。メガネの奥の瞳は冷たい。
怯えて後ずさった彼女の頭上の暗がりから、一本の太い鎖が降りてきた。黒皮の枷がその先端に付いている。と同時に、音もなくやってきた黒服のスタッフが、彼女手からヴァイオリンと弦をそっと取り上げ、どこかへ持ち去った。
身体を隠すものが無くなってしまった彼女は、胸と股間を手で覆い隠し、所在なげに佇んだ。無慈悲なスポットライトの光が、彼女の惨めな裸を生白く浮かび上がらせる。
「後ろを向きなさい」
冷たい瞳の男が彼女へ命じる。
「……は、はい」
怯えて後ずさった彼女の頭上の暗がりから、一本の太い鎖が降りてきた。黒皮の枷がその先端に付いている。と同時に、音もなくやってきた黒服のスタッフが、彼女手からヴァイオリンと弦をそっと取り上げ、どこかへ持ち去った。
身体を隠すものが無くなってしまった彼女は、胸と股間を手で覆い隠し、所在なげに佇んだ。無慈悲なスポットライトの光が、彼女の惨めな裸を生白く浮かび上がらせる。
「後ろを向きなさい」
冷たい瞳の男が彼女へ命じる。
「……は、はい」