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奴隷館 Crime d’amour〜Mの肖像
第9章 被虐の快感〜緋美 美しき奴隷
 磔刑を解かれた私は、首輪をつけたまま、私のために用意された部屋に戻された。簡素なシングルベッドとデスクと椅子、調度はそれだけのこじんまりしたシンプルな部屋だ。ビジネスホテルのようだが、奥にある、頑丈な鉄柵で仕切られた檻がその印象を裏切っている。

 私も含め、この館を訪れる女たちはバカンスを楽しむために滞在しているのではない。従属し支配される悦びのためだ。この檻のある部屋は、それらの女たちへ用意されている。

 部屋に戻ったのは眠るためではない。四宮という男性の元へ、これから新米のFrauとして赴く準備のためだ。

 裸身に新しい下着を……シルク製の黒いブラジャーとショーツに、お揃いのガーターベルトとガーターストッキングを身につけ、その上に青いワンピースを着る。マリンブルーのワンピースのスカートは膝丈ほど、この服は私物ではなく、Frauの制服として貸与された。

 服装を整えてからメイクと髪を直し、鏡に写る自分をチェックする。最後に、目のところが開いた黒いアイマスクをつける。
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