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奴隷館 Crime d’amour〜Mの肖像
第18章 エピローグ〜それぞれの日常へ
電話が切れた。
電話をくれた彼は、まさか上司の私が、裸同然の格好で縄で緊縛されて、淫乱だの、いやらしいメスだのと罵られ、挙句に、初めて会った男性と、きつく拘束されたままでセックスをするために、わざわざ休暇を取り、こんな特殊な場所にいるだなんて想像もできないはずだ。
私は、私という仮面を被って生きている。世間一般の常識の中で生きる「私」という仮面を。もしかしたら、私が知っている誰かも、そんな仮面を被っているのかもしれない。
車のエンジンをかける。ウィンドウにポツッと雫が。雨が降ってきた。アクセルを踏み、車をゆっくりスタートさせる。
そして私はCrime d'amourの館をあとにした。
電話をくれた彼は、まさか上司の私が、裸同然の格好で縄で緊縛されて、淫乱だの、いやらしいメスだのと罵られ、挙句に、初めて会った男性と、きつく拘束されたままでセックスをするために、わざわざ休暇を取り、こんな特殊な場所にいるだなんて想像もできないはずだ。
私は、私という仮面を被って生きている。世間一般の常識の中で生きる「私」という仮面を。もしかしたら、私が知っている誰かも、そんな仮面を被っているのかもしれない。
車のエンジンをかける。ウィンドウにポツッと雫が。雨が降ってきた。アクセルを踏み、車をゆっくりスタートさせる。
そして私はCrime d'amourの館をあとにした。