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第3章 BLACKMAIL

「もし仮に私がゴーストライターで小説を書いたとしよう…その報酬分配はどうするんだ…」

田所の話が終わる前に、彩芽が割り込んでくる。

「書籍の報酬は、すべて先生でいいです…私は著者の権利だけで…お金はいりません…でも…一つだけ欲しいものがあります…」

田所は怖くてその先が聞けなかった。

「この家が欲しいです…あなたがきっと…一番大切にしているものだから…失った時の気持ちが分かってくれるでしょう…？」

その話し方に、田所は全身に鳥肌が立っていくのを感じた。

「タイトルは…『ディープスロート』でどう…？」

田所は両手で前髪を掻き分け、大きく息を吐き、目を閉じた。その話し方、娘の彩芽より少し低い声、それはまさに彩花の口調だった。