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Deep Throat - ディープスロート
第5章 危険な芽
翌日の日曜日、この日も彩芽は田所邸を訪れ、庭の芝生に座っていた。自らレジャーシートを持ち込み、庭でのんびりと時を過ごしていた。
彼女は来る途中、2人分のサンドウィッチと飲み物を買ってきていた。田所は彩芽が来ると思い、近所の和菓子屋で団子と柏餅を買っていた。
それらをシートの真ん中に置き、彩芽のバッグ、編集長からのウイスキーが入った袋、彩芽のトレンチコート、互いの靴でシートの四隅を留めていた。春の日差しを感じられる爽やかな日だったが、時折そよ風が吹いていた。
2人は田所がお気に入りという箇所から、シートで脚を伸ばして座り、桜を眺めていた。桜の木は、大人の男性が両手を伸ばしても手が届かない、太く立派な木だった。ふわふわと桜の花が散り始めていた。枝が一本、低く横に伸びていた。彼女がジャンプすれば届きそうな枝を彩芽は見つめていた。宙を舞う花びらを目で追い、自身の黒いニットやパンツに落ちた花びらを、白いシャツの袖を上げて拾い、手のひらに乗せていた。そして桜の木を見上げる。
彼女は来る途中、2人分のサンドウィッチと飲み物を買ってきていた。田所は彩芽が来ると思い、近所の和菓子屋で団子と柏餅を買っていた。
それらをシートの真ん中に置き、彩芽のバッグ、編集長からのウイスキーが入った袋、彩芽のトレンチコート、互いの靴でシートの四隅を留めていた。春の日差しを感じられる爽やかな日だったが、時折そよ風が吹いていた。
2人は田所がお気に入りという箇所から、シートで脚を伸ばして座り、桜を眺めていた。桜の木は、大人の男性が両手を伸ばしても手が届かない、太く立派な木だった。ふわふわと桜の花が散り始めていた。枝が一本、低く横に伸びていた。彼女がジャンプすれば届きそうな枝を彩芽は見つめていた。宙を舞う花びらを目で追い、自身の黒いニットやパンツに落ちた花びらを、白いシャツの袖を上げて拾い、手のひらに乗せていた。そして桜の木を見上げる。