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Deep Throat - ディープスロート
第5章 危険な芽
彩芽は、この空間だけ時間がゆっくりと流れている気がしていた。日々の生活の中で、刻まれる1秒1秒が速く感じていた。散っていく花びらが宙を舞い、風を感じ、日を浴び、ほっと一息つける心地の良い時間だった。彼女は脚の上に両手を置き、右手にはめた腕時計をそっと外した。そして左手を伸ばし、シートを留めていたバッグに入れた。

田所はポロシャツにジーンズというラフな服装で、桜の先に見える、庭の池や石橋、そして東屋を眺めていた。彼はこの家の前持ち主から、あの東屋は法隆寺の夢殿(ゆめどの)をイメージして、大きな池の中に島を作り、そこに建てさせた、と聞いていた。そのため八角形の瓦屋根、池を島から見渡す空間の柵も八角形になっていた。聖徳太子はその昔、執筆中に疑念が生じた時、仏像を安置する持仏(じぶつ)堂に籠った際、夢に金人(きんじん)が現れ、妙義を伝授されたという伝承があった。訪れる金人のため建てられたのが法隆寺の夢殿だった。田所も聖徳太子の伝承にあやかり、時折あの夢殿で執筆をしたときもあった。彼は庭の夢殿を見つめ、まだ金人は現れていないと、微笑んでいた。
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