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第5章 ウサギの”餌付け”

個室になっている部分には
ミニバーがついていて
そこから…小さなグラスに、
隣に座ったカノンが
ブランデーを注いでくれる。

それで気が付いたんだが、多分
あっちのラビットホールを
利用してる延長の扱いだから
ここでも酒を提供してくれるって事か。

内装も半個室ながらに、
お洒落な…ピンサロには無い感じの
大きめのソファが置かれていて。

寝転がろうと思えば寝転がれる。
VIPルームと言う扱いなので、
部屋自体も広いし
ソファとセットのテーブルも
安っぽい感じじゃなくて
高級感のある感じで…。

黒い板でネカフェみたいに
区切られている壁も
内側には壁紙が貼られている。

でも…ソファと色合いは合わせてあるが
座面にはバスタオルが敷いてあって。

ご機嫌なBGMの中に
店の中の…プレイの音と声が混じってる。

『…んはぁ、あぁっ…あぁ～んッ』

成程…やっぱり…ピンサロだなと…
店の中に入り乱れる複数の
女の喘ぎ声と男の乱れた息遣い
この…俺の尻の下に敷かれている
バスタオルで…思ったんだが…。

このブースに入って
俺がソファの真ん中に…
俺から見て左側の壁際にカノンが
右側の入口側にヒメが座って
両サイドから２人にサンドイッチにされている。

『ねぇ～、ヒメ。早く
お兄さんの人参…食べたいなぁ～』

『人参は…１本だけだから、
仲良く２人で一緒に…食べるんだよね？』

そう…ふたりが耳元で
ステレオ放送みたいに…
右からと左から囁き掛けて来て。