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悪いオンナ…2
第1章 【美大生の僕は魅力溢れる彼女に心奪われて…】





「渡辺……学です」



「ガク?」



「はい、学ぶと書いてガクです…ていうかすみません、もう帰って頂いて…ってこんな時間!終電過ぎてますよね、うわ、どうしよう…家、どの辺ですか?タクシー代出します」



あぁ!良い格好するな、お前金欠だろ!
バイト代も来月は少ないからヤバいぞ
でも彼女をこのままにはしておけない
僕を介抱してくれてたんだぞ
こんな可愛い彼女が!
1人にしたら悪い輩に絡まれるかも知れない



「あの、あの、どうしましょう?」



1人で焦ってアタフタしていたら「ガクの家は近いの?」と聞かれて15分ほど歩けば…と答えた
そしたらなんて言ってきたと思う?
「じゃ、ガクん家で良いんじゃない?始発で帰るからさ」だって!!
今時の女子は皆、こうなのか?
それとも僕を誂ってる?こんなのでも一応男だぞ
まさか、男としても見られてないとか?



「ガクのゲロ、着いちゃったんだよね〜」って言われたら全て従うしかない
土下座もんだよ
「部屋着貸してね?」って可愛く言われて内心ドキドキしながら家へと帰る



汚部屋ですみません、と何度謝ったことか
そしたら自然と「拓哉も汚かったよ〜?」って、やっぱり岩崎の家にも行ったりするんだ…
こんな可愛いんだもん、そりゃ周りが放っておかないよな
あまり人に興味がないから全然気が付かなかった



「どうぞ、先にシャワー浴びてください」



シャワーの出し方だけ説明して、部屋着といっても一軍のTシャツにスウェットを貸した
「うん、ありがと…」ってここに来て照れる!?
僕ん家で良いんじゃない?って凄い事言ったのはキミの方なのに……
移るからやめてくれよ



乾燥機回したら…始発まで間に合うよな?
そう、彼女は始発で帰る……帰る……始発までだ
何度そう繰り返し言い聞かせただろう






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