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夜に咲く名前のない恋人達
第5章 初体験
ルカに手を引かれるままホテルの部屋へと入っていく。

ぷりんの心臓は、まるで壊れそうなくらいドキドキしてうるさいくらい。

部屋のドアが閉まった瞬間、ルカが言った。

「……まだ間に合うぞ」

「え……?」

「今なら、やっぱり怖い。って言えば、帰してやるから」

「帰らないよ?」

「後悔するかもしれねぇぞ」

「しないよ。ルカくんなら大丈夫。大好きだから」

迷いなく答えると、ルカは小さく笑った。

「お前って、ほんとバカだよな?」

「……うん……」

ぷりんは、自分でもそう思う。
でも、バカでいいと思った。

これが最後なら、ルカの望みを叶えたいと思ったのだから。

まだ玄関なのに、ルカの手がぷりんを包み込むように抱き締めてくる。

「……怖いか?」

「ううん……」

「震えてんじゃん?」

「……ドキドキしてるだけだよ……」

ぷりんがそう言うと、ルカは少しだけ困ったような顔をした。

「なんでルカくんは、そんな顔するの?私って魅力ない?初めてだし、他の女の子みたいに上手くできないかもだけど……
あの……えっと…………気持ちよくなってもらいたい。って思ってる……」

恥じらいながらも、一生懸命に気持ちを伝えてくるぷりんを見て、ルカは優しく微笑んだ。

「ありがとう。じゃあベッドに行くよ?」

「うん……」

ルカに促されるまま、並んでベッドに座ると、ルカが顔を覗き込んでくる、

「ぷりんって……ほんとに、可愛いな……」

その言葉に、ぷりんの心が熱くなる。

そのままルカの顔が近づいてきて、静かに唇が重なった。

「ちゅっ…………」

唇が触れるだけのルカからの優しいキスに、心も体も満たされていくぷりんだった。

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