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微熱に疼く慕情
第3章 【甘く麻痺していく心情】

ていうか、最初の(わかった)は何だったんだ?
全然わかってもらえてないけど?
(話くらいは聞くよって言ってくれてたのに…)
「状況が違うじゃん……彼氏出来たらそりゃ、時間も作れなくなるし、優先するのは勿論、彼氏でしょ?」
(時間は作るものって……)
そりゃ私が言ったけど…!
やっぱり平行線なのか!?
(俺以外が一華の部屋に上がり込むとか嫌だ……)
「何でそんな事……」
(あの服、その彼が着るの?)
「んなわけないでしょ」
(俺が使ってたコップは?お箸も?歯ブラシはやめてね)
「全部、処分だね」
本当、何で今でもそんな揃ってんだ、一回処分したのにまた買い足したの誰よ
それを普通に許してた自分も自分か……
だから調子に乗って……
(捨てないで……)
晩酌してたけど、酔いもさめたわ
どうしよ、じゃあまたねっておかしいよね
次はないようにしなきゃなんだから
最後の締め括り、元気でね?かな……
(終わるの嫌だ……彼氏居ても電話とか良いだろ?完全に遮断しないでくれよ……お願いだから)
覇気のない顔しないでよ
強く出れなくなる
こうやって流されていくんだよな……
愛なんてないのに……
間違った優しさは後になって過ちに気付く
(今の俺から取り上げないで?一華じゃないと無理……)
だから泣くな、つられる……
鼻の奥がツンとして、ジュワッと溢れ出そうになるから
何でこんな時、楽しかった思い出が蘇っちゃうの…?
自分の中にしまい込んでいた綺麗な思い出たちが次々と脳裏に浮かぶ
「ほんっっっと、お子ちゃまだね、大智は……」
(うん、無理……)
「認めるんかい」
あぁ、ダメだ、もう誰か私を引っ叩いてくれ……
どうにかしたいよ、この性格……
言動と心が比例してくれない
もしかして、私が、依存してる…?

