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微熱に疼く慕情
第1章 【渇いた心】





長くなるやつかな、もうごちそうさまなんだけど……



「浮気した事は本当にごめん、馬鹿な事したって思ってる……」


「いや、もう昔の事は良いよ、若気の至りって事で、これからの話をしてるの、折り合いつかないならもう今日で終わりにしよ?」


「いや、あっさりし過ぎだって、男前過ぎない?一華…」


「元気でね、近況知れて良かった、バイバイ」


自分のお金だけ置いて店を出た
最後、泣きそうな顔してたな
まだそんな顔するんだ
知ってた?
あの日、別れ話の最後、その顔してたの私だよ
あースッキリした



昨日の事は、記憶から消そっと



次に進まなきゃ、過去に囚われるのは自分に合ってない
大智も早く吹っ切って欲しい
そのレールは敷いたよ?
もう振り返らずに前に進んでね



バイバイ、ありがとう







って!!



バイバイ………させてよ!
あれから1週間後、忘れた頃にバンバン通知が鳴る
デスクに置いてた携帯、引き出しに入れてもブーブー鳴るから通知OFFにしようとしたら(死ぬ…)ってメッセージが来てお手洗いに行った
個室でメッセージ開くとどうやら体調不良で倒れてるらしい
なんと大袈裟な……
未読21件とかやめてよ、全部大智じゃん
ちょっとストーカー気質入ってきてるんじゃない?



(一華の卵粥食べなきゃ死ぬ…)



イラッ………



とりあえず無視しておこう



あ……でも、気管支弱かったよなぁ……
拗らせてなきゃ良いけど
ちゃんと病院行けてるんだろうか
あ〜ヤメヤメ、仕事に集中しないと



持ち場に戻る途中でまたバッタリと山岸先輩に会った
眼鏡を見て嬉しそうに笑う
会釈したら「今日こそ、どうかな?ご飯…」ってすっかり忘れてた
そういや連絡先交換してない
返事をする前にポケットで通知が連続で鳴る








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