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微熱に疼く慕情
第9章 【歪んだ世界でも凛として…】

チラチラと目が動いて挙動不審
見てて面白いし飽きない
クスクス笑う私に“?”な様子
「ねぇ、ちゃんと顔見せてよ」って言ったら
真っ赤になりながらもマスクを取ってくれた
入院中もマスク姿だったからあまり素顔見れなかったし
クイクイと指で呼び寄せて顔が近付いたら
両手で頬包み込んでイチャイチャしてみる
周りが見てるのが何?
「は、恥ずかしいっす」
「耳まで赤いよ?んふふ」
こうやって困らせるのが好きなの
他の人は目に入らない
ずっとその人だけを見てられる
テーブルの上で指も絡めたりするんだよ
耐えられる?
まだキョロキョロして
「皆、一華さん見てる」って小声で伝えてくる
そんな事ないよ
真っ赤になってるイケメンを見てるんじゃない?
「髪型、似合ってます」
「ありがとう、昨日ヘアメンテ行ってきた、旺志郎くんと会うから」
「え、そうなんですか?僕もです……整えてきました」
「うん、旺志郎くんも似合ってる」
ヘアメンテ頑張って良かった
艶々にしてもらったし、毛先巻いてみた
ミルクティーベージュにレイヤーカット
デニムのマーメイドスカートに白のカットソー
肩が見えるか見えないかの際どさがポイント
旺志郎くんも白いTシャツにオーバーサイズのシャツを羽織ってる
リュックなんだね、可愛い
ストローで飲みながらも目が合ってる
話してても楽しいね
「え、何か雰囲気違い過ぎるんだけど?」
「え?」
「入院してた頃はもっとハキハキしてたし、何かこう……意地悪だったよね」
「そ、それは仕事だからで!いや……プライベートは陰キャなんで、すみません」
「んふふ、違う違う、良いギャップだねって事、悪い意味じゃないよ、私は良いと思う、知れて嬉しい」

