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濡れるカラダ《短編集》
第2章 お姉ちゃんの彼氏



生まれて初めて、好きな人が出来た。


「っ…陽菜ちゃん…?どういうつもり…?」


お姉ちゃんと同じ、一目惚れだった──。




「…私ともシて?」

「っ…そんなこと…、出来るわけ…」

「…誰にも言いませんから。絶対に…」


週末になるたび 我が家に遊びに来る、お姉ちゃんの彼氏。

涼太さんは 優しくて、カッコよくて、漫画に出てくる王子様みたいに素敵な人。

お姉ちゃんとは大学のサークル仲間から始まり、半年をかけて恋人同士になったらしい。

うちの両親ともいつの間にか親しくなっていて、このままだと大学を卒業すると同時に結婚…、なんて予感さえしてしまう。


そんなの…、絶対にイヤ。

お姉ちゃんだけ、ズルい…。


「ちょっ…。マジで、ダメだって…っ」

「…大丈夫ですよ。お姉ちゃんが長風呂だってこと…、涼太さんも知ってますよね?」

「っ…そういう意味じゃ…」


お姉ちゃんがお風呂に入っている間、リビングでテレビを見ていた涼太さんを「用事があるから」と、私の部屋に連れ込んで。

強引にベッドに押し倒し、馬乗りになる。


「…好きなの。だから…、」

「…っ…く…」

「…私の処女…、涼太さんに貰ってほしいの」


シャツの中に滑り込ませた手を素肌に這わせ、びくりと反応する涼太さんに熱い視線を送る。


「…私だって…、涼太さんが好き…」

「…っ…陽菜、ちゃっ…」


男の涼太さんなら、私のことなんて簡単に振り払えるはずなのに。

口ではダメだと言いながら、身体は期待している──、それが答えだと思った。


「…好き…。大好き…」


何度も何度も愛の言葉を囁きながら、涼太さんの唇にキスを落としていく。


「っ…はぁ…。…やば…」


上手く出来ている自信はないけれど…、吐息混じりに呟く涼太さんの様子から、確実にスイッチが入ったのが分かる。


「…最初で最後だから。…わかった?」

「…うん…」


腕を掴まれ、ぐるりと反転させられた身体をシーツの上に組み敷かれる。

今から、この人に抱かれるのだと思うと──、言葉では表せないほどの興奮が沸き上がり、身体の奥を熱くする。


「…声、我慢してね?」


舌舐めずりをしながら、細長い指先で私の唇をなぞる。

妖艶なその仕草が、さらに私の欲望を掻き立てた──。


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