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愛の時間 ○○連発
第12章 訳あり女に心の指圧

「鼠径部もお願いしていいかしら?」
女は健斗の返答も待たずに寝返りを打ち、仰向けになった。
浴衣の下には下着をつけておらず浴衣がはだけて黒い翳りが顔を覗かせた。
「す、すいません」
健斗は慌てて手ぬぐいを女の股間に掛けて隠そうとした。
「そのままでいいの…」
「いや、しかし…」
ふとした瞬間に指先が
大事な部分に触れてしまうかもしれないし…
「ううん、できれば触ってもらいたいの…
私ね、死に場所を探しにこの地へ来たの…
だから最期にもう一度だけ男の人に触れてもらいたくて…」
やはり訳ありだったか…
話を聞くと、どうやら彼女は子供が出来ない体なのだそうだ。
結婚後にそれがわかって旦那に離縁されたと言った。
なんでも由緒ある家系なので
血を途切れさせることは許されないことなのだそうだ。
「私…女はおろか
人間としても失格の烙印を押されたようで…」
「そんなことはない!
あなたは素敵な女性ですよ!」
健斗は知らず知らずのうちに
彼女の翳りを撫でていた。
「あなたの手で
私のマイナス思考を揉み消して下さいませんか?」
女は健斗の手を草むらの下の沼地へと導いた。
「わかりました。
生きていることがこんなにも素晴らしいと
思ってもらえるように努力します」
誘われるままに指を沼地に沈めた。
「ああン!…」
指を挿してやると
女はか細い指でシーツを鷲掴んで可憐に喘いだ。
『いい女ではないか…』
子供を産めないというだけで
手放すとはバカな男がいたものだ。
女の体は正直に
健斗の指の動きにあわせて身悶えた。
健斗を呼び寄せる前に温泉に浸かったのだろう、
微かな硫黄臭が
女体自身の体臭と混ざり合い
いやらしい匂いをさらに濃厚にさせていた。
「貴方のモノも握らせて…」
女性客とよからぬ関係は
ご法度と女将に釘を刺されてはいたが、
これは人助けなのだ。
この一時間というマッサージタイムで
彼女を女としての自信を取り戻し、
明日への活力にしてあげるのが
今の自分に与えられた使命だと感じた。

