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わたしの日常
第4章 S川さんとの交流
 そう言いながらもわたしの目は写真に釘付けになっている。笑顔と言えば笑顔だが、どことなく気だるく、愁いを帯びている様にも見える。なんというか…いかにも情事を終えたばかりのような雰囲気の二人…。

 「『ケーブルレリーズ』といったかな。そういう道具があるんだよ。S川さんが何か持っているだろう?」

 確かにS川さんがなにか道具のようなものを持っていて、そこから聴診器のコードのようなものが延びている。

 「『わりない仲』だそうですね」
 「夫婦ではないと話していたからね。まあ、もっと言えば『義父とその嫁』だと睨んでいる訳だが」
 「では、わたし達も『わりない仲』ですね」
 「『奥様』をモデルにして写真を撮りたいそうだよ」
 「綺麗に撮ってはいただきましたけど、社交辞令ですよ。本当に『奥様』だなんて思っていらっしゃるのかしら」
 「『お連れ様』と書くわけにもいかなかったのだろう。送ってくれた写真のほかにもいろいろ撮ったことだろうね。なにせ、自分で現像しているというのだから」

 義父が言わんとしていることは何となくわかった。

 「お義父さんもカメラの腕前を見込まれましたね」
 「それこそ社交辞令だよ。でも、自分でシャッターを切る限りいろいろ制約もあるから、誰かに撮ってもらったらありがたい、ということなのだろうね」 

 旅先で『わりない仲』の男女が誰かに撮ってもらう写真…。まぐわうふたりにカメラを向ける義父…そんな想像をしてしまった。もちろん、その逆も…。

 義父が両手を組んで頭の後ろにあてている。何か思いに耽るときの義父のくせ。同じ様なことを考えているのだろうか。

 「私たちの写真も送ってくれたことだし、こちらからも礼状を出さないといけないね」
 「そうですね」
 「私たちも『わりない仲』だということは書いてしまおうか」
 「いいかもしれませんね…。いつまでも『奥様』というのもなんだか落ち着きませんし」
 「いっそのこと『夫婦ではありません。義父と嫁です』と書いてしまおうか…」
 「それはちょっと…」
 「まあ、あちらが『わりない仲』ということまでしか明かしていないうちから、こちらが馬鹿正直に書く義理はないのだけれど、湯船でも似た者同士のような妙な連帯感があったことは確かなのでね」
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