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わたしの日常
第11章 S川さんからの返信

温泉で出逢ったS川さんからの郵便が届いた。大きな封筒で何やら雑誌のようなものが入っているようだ。今回も義父あての親展としてある。
「お義父さん、S川さんからです」
書斎で読書していた義父に封筒を手渡す。
「本でも送ってくれたのかな」
義父がはさみで封を切り入っていた雑誌を取り出す。手紙と思しき便箋も入っている。義父は折り畳まれた便箋から手に取り広げて読み始める。文章を目で追いながらあまり見たことのないような表情をしている。
「なるほど。思っていたとおりだったようだよ、悦子」
義父は読み終えた便箋をわたしに渡すと雑誌を手に取る。わたしも手紙に目を通す。
『謹啓 先日はご丁寧なお便りを賜り誠にありがとうございます。お送りした写真もお気に召して頂きましたようで安堵しております。また、私共に過分なお言葉も賜りまして誠にありがとうございます。是非再びお逢いしたいものだと、折に触れ連れ合いとも話している日々でございます。同宿の御縁に4人での写真も撮ればよかったものと後悔しておりますが、いずれ再会できましたときの楽しみとしておきたく存じます。
写真は若い頃から趣味としてはおりましたが、専ら風景などを撮っておりました。連れ合いを撮るようになりましてからは、人物写真にも大いに興味を覚えまして下手の手習いで愉しんでいるところです。現像を自分でするようにもなりました。連れ合いそして小生のありのままを撮るようになりましてからのことで、その理由につきましてはおそらく御察しいただいているのではないかと存じます。
人物写真と申しましても、もちろんポートレイトも撮影するのですが、私共が興味を覚えておりますのは、誠に汗顔の限りでございますが、連れ合いのヌード写真であり、さらに申し上げれば男女の交合写真であります。前信にて触れました同好サークルの雑誌というのも、そのような趣味を持つ者によるサークルが発行しているものであります。お目汚しすることは承知の上で、この際、恥を忍びまして一冊同封させていただきます。
「お義父さん、S川さんからです」
書斎で読書していた義父に封筒を手渡す。
「本でも送ってくれたのかな」
義父がはさみで封を切り入っていた雑誌を取り出す。手紙と思しき便箋も入っている。義父は折り畳まれた便箋から手に取り広げて読み始める。文章を目で追いながらあまり見たことのないような表情をしている。
「なるほど。思っていたとおりだったようだよ、悦子」
義父は読み終えた便箋をわたしに渡すと雑誌を手に取る。わたしも手紙に目を通す。
『謹啓 先日はご丁寧なお便りを賜り誠にありがとうございます。お送りした写真もお気に召して頂きましたようで安堵しております。また、私共に過分なお言葉も賜りまして誠にありがとうございます。是非再びお逢いしたいものだと、折に触れ連れ合いとも話している日々でございます。同宿の御縁に4人での写真も撮ればよかったものと後悔しておりますが、いずれ再会できましたときの楽しみとしておきたく存じます。
写真は若い頃から趣味としてはおりましたが、専ら風景などを撮っておりました。連れ合いを撮るようになりましてからは、人物写真にも大いに興味を覚えまして下手の手習いで愉しんでいるところです。現像を自分でするようにもなりました。連れ合いそして小生のありのままを撮るようになりましてからのことで、その理由につきましてはおそらく御察しいただいているのではないかと存じます。
人物写真と申しましても、もちろんポートレイトも撮影するのですが、私共が興味を覚えておりますのは、誠に汗顔の限りでございますが、連れ合いのヌード写真であり、さらに申し上げれば男女の交合写真であります。前信にて触れました同好サークルの雑誌というのも、そのような趣味を持つ者によるサークルが発行しているものであります。お目汚しすることは承知の上で、この際、恥を忍びまして一冊同封させていただきます。

