パソコンから！ケータイから！スマホから！無料でどこでも気軽に楽しめる官能小説サイト

第11章 Ｓ川さんからの返信

　併せて正直に申し上げますと、連れ合いと申しておりますのは、実は小生の息子の嫁でありまして、男やもめでありました小生と男女の仲になりまして十年ほどになります。それだけにとどまらず、近年はいわゆる夫婦交換のようなことにも関心が向いておりますことも正直に申し上げます。お送りした雑誌もそのような興味からたどり着いたものでございまして、大半はそのような内容が含まれたものとなっております。

　このような趣味に嫁と興じておりますこと、さぞかしお呆れになられるものと覚悟はしており、変態と謗られるであろうことも尤もなことと覚悟しておりますが、僅かな望みではありながらも御縁が続くのを願うからにはと、嫁とも相談の上、私どものありのままを正直にお知らせすべきものとこころえましてお送りする次第でございます。

　折角のご縁もこれきりになるのもまた無理からぬことと承知しているところであり、どうかご遠慮なくお忘れいただければありがたく存じます。ただ、温泉でお逢いしたときに感じた、このご縁を大切にしたいという私共の思いに偽りはございません。笑止な男と女がいたものだと苦笑していただければ本望でございます。

　乱文乱筆平にご容赦ください。末筆ながら、お二人のご健勝を心よりご祈念申し上げます。敬具』

　「うちと、同じですね…」
　「うむ…。男ヤモメということまでね」

　黙って雑誌をめくっていた義父が顔を上げる。苦笑いはしていない。