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第58章 梨果と美幸のCM契約

残された我々保護者は広告代理店の担当者に今回の報酬やスケジュールの説明を受けた。
報酬はかなりのものだった。

真田氏は意気揚々と契約書にサインをしていた。
私は渋々とサインをした。梨果がやると言ったら止めても無駄だろう。

「それでは私はこれで失礼します。」

契約を終えると広告代理店の担当者は退室した。

「それでは本日のお話は以上となります。おそらくお嬢様方もじき戻られると思います。その際先ほどの秘書がご案内しますのでもうしばらくこちらでお待ちください。私は隣のオフィスにおりますので何かございましたらお声掛けください。」

広報部長も退室した。

すると隣に座る真田氏が話しかけてきた。

「梨果ちゃんが受けてくれて良かったよ。」

「私としては断って欲しかったのですが。」

「そうか……でも今の話の流れでもここの社長は梨果ちゃんが本命だってのは明らかだ。彼女が断ったらこの話は流れた。それは美幸も感じていたと思うよ。」

真田氏は伏し目がちに言った。

「……」